【富岡製糸場】純国産希少シルク「ぐんま黄金」を使用した新製品を発表。染色をしない環境配慮型シルク
一般社団法人富岡シルク推進機構(群馬県富岡市)は、富岡市のみで生産されている繭品種「ぐんま黄金」を100%使用した新商品を発表。世界遺産「富岡製糸場」内にある「富岡シルクギャラリー」にて2025年6月10日より販売を開始した。
日本の繭生産は1968年のピーク以降、養蚕農家数、繭生産数ともに減少の一途を辿っている。現在、純国産シルク製品の割合は、0.1%を下回る危機的状況だ。そのような状況のなか、富岡市の養蚕農家10戸と団体企業2戸の合わせて12戸が、年に5回繭を生産。2024年度は4.7万tの繭を収穫した。この生産量は、群馬県内の繭生産量の3分の1に値する。
今回のラインアップで使用されている「ぐんま黄金」は、富岡市内の養蚕農家のみで生産している希少な蚕品種だ。天然色を生かした製法によるやさしい色調とシルクの持つ艶やかな光沢が特徴。清涼感のある肌触りに加えて、吸湿性や放湿性、制菌性にも優れ、染色をしていないため環境にも配慮された製品となっている。新商品としては、「ぐんま黄金」の生糸や手芸用絹糸、黄金の天然色を生かした「扇子」や快適な睡眠に役立つ「ピローケース&ボックスシーツ」など、富岡シルクの魅力を最大限に発揮した製品が並ぶ。
明治期、日本の近代化が始まった富岡の地で、「メイド・イン・ジャパン」として世界に名を轟かせた富岡製糸場。世界遺産登録から11周年を迎えた今、再び稼働する日を目指して、同社は今後も活動を続けていくという。