東武鉄道、栃木県鹿沼市の小林醸造とオリジナル日本酒「車窓」を開発
東武鉄道株式会社は、「日光の社寺」がユネスコ世界文化遺産に登録されて25周年を迎えたこと、さらに「伝統的酒造り」が新たにユネスコ無形文化遺産に登録されたことを記念し、オリジナル日本酒「車窓」を開発した。
同日本酒は、鉄道会社である東武鉄道と、栃木県鹿沼市にある老舗の酒蔵・小林醸造株式会社が連携して生まれたものである。単なる土産物ではなく、「高付加価値で持続可能な観光地域づくり」を目指して、地域の自然や文化、そして旅の情緒を一体にした、こだわりの詰まった逸品である。
原料には、伊勢神宮の御神田で偶然発見され「奇跡の米」とも呼ばれる鹿沼産のイセヒカリ米を使用。この米は、一般的なコシヒカリの変異種でありながら高い品質を誇り、酒米としてもそのポテンシャルを発揮する。また仕込み水には、日光二荒山神社の神聖な泉「二荒霊泉」を使用。これらの素材は、どちらも栃木の風土と信仰に根ざしたものであり、地域の恵みをそのまま酒に映し出している。
「車窓」という名前には、鉄道旅の中で移ろいゆく風景を楽しみながら、日本酒を味わってほしいという思いが込められている。ラベルデザインには、同鉄道の特急「スペーシアX」の窓から望む男体山の姿を、鹿沼の伝統工芸である鹿沼組子をモチーフにして描いており、目でも旅情を感じられる工夫がなされている。
製法にもこだわり、通常使われる黄麹に加えて白麹を使用。クエン酸による爽やかさと、黄麹の旨味・甘味のバランスがとれたまろやかな仕上がりとなっている。販売は2025年3月14日より、東武商事の駅ナカショップ「ACCESS」で行われており、300mlが税込1,480円(500本限定)、720mlが税込3,180円(150本限定)。発売数量に達し次第、販売終了となる。
同商品の誕生秘話や背景については、同鉄道の公式ホームページに特設サイトが開設されており、地域とのつながりや開発の裏側に触れることができる。