富岡製糸場で「フランスウィーク2025」を開催!日仏の絆を紡ぐ特別展とマルシェを展開
群馬県富岡市の富岡製糸場で、2025年11月4日から30日まで「富岡製糸場フランスウィーク2025」が開催される。明治政府のもとで、フランス人技師・ポール・ブリュナ氏の指導により建設された富岡製糸場は、開業当初からフランスとの技術・文化交流の拠点であった。ブリュナ氏の故郷であるフランス・ブール・ド・ペアージュ市との友好都市協定締結10周年を記念し、両国の長い交流の歩みを振り返るとともに、文化を通じた結び付きを紹介する催しが行われる。

メイン企画となる特別展「日仏交流が織りなすシルクの魔法」では、富岡製糸場とフランスの歴史的な関係を多角的に紹介。会場は国宝・西置繭所多目的ホールで、入場は無料(見学料別途)。ポール・ブリュナ氏の功績や、フランス原産の繭「セヴェンヌ」から生まれた高品質な「富岡シルク」など、シルクが結んだ人と文化のつながりを伝える展示が並ぶ。併設展示「ブール・ド・ペアージュ展」では、フェルト帽子や銅工場に関する資料のほか、両市の児童による交流メッセージも上映され、国際的な友好の軌跡を示す内容となっている。
また、11月22日と23日には中庭で「フレンチ・マルシェ」が開催。富岡クレープやフランス菓子、雑貨などを販売する店舗が立ち並び、来場者が五感でフランス文化を味わえる空間が広がる。ペタンク体験広場や音楽ライブも実施され、石垣優さん、ヴェロニック・ムーラン&yoshimiバンドらが出演する。フランス音楽の旋律が歴史的建造物に響き、穏やかな時間を演出する。
さらに、期間中は富岡市内の飲食店と連携し「富岡クレープフェア」を展開する。各店舗ではオリジナルのクレープやガレットが提供され、観光案内所で配布される「富岡クレープマップ」を片手に市内を巡る楽しみも生まれる。加えて、10月26日にはブール・ド・ペアージュ市との友好10周年を記念したオープニングコンサートが開かれ、ピアニスト・青柳いづみこ氏が19世紀製スタインウェイピアノを使用して演奏を行った。
同イベントでは、シルク産業を通じた日仏の交流を再構築し、地域文化の新たな魅力を提示することを目的としている。世界遺産の富岡製糸場を舞台に、歴史・芸術・食文化を横断する企画が展開される予定である。

