【プラスチックごみゼロへ】二酸化炭素削減に向けた再現性のある資源循環型農業!
GNホールディングス株式会社(群馬県前橋市)傘下の農業法人mino-lio(群馬県高崎市)とカネコ種苗株式会社(群馬県前橋市)は、廃プラスチックを熱分解・蒸留して生成する灯油質を、mino-lioが運営する「ぐるりいちご農園」の「光合成促進装置」と「培地加湿システム」の燃料として継続的に活用することを決定した。
本取り組みは六洋電気株式会社(福島県福島市)、赤尾商事株式会社(群馬県高崎市)の協力のもと、9月中に実証実験を行い、今季のいちご栽培から本格的に実装される予定である。
プラスチックは高温で分解され、油(廃プラスチック熱分解油)に戻る。六洋電気株式会社では、油化装置に加え、小型の蒸留設備も備えており、廃プラスチック熱分解油を軽油や灯油などに分留することが可能である。この廃プラスチック熱分解油はカーボンオフセット量が1リットルあたり2.17kg-CO₂のカーボンオフセット商品である。
今後、廃プラスチックのリサイクルを進める中で、廃プラスチック熱分解油を多様な生活シーンに適した油分に分留できれば、様々な用途での活用が可能となり、社会実装への道が広がると考えられる。
農業法人mino-lioは、資源循環型農業を実践し、GNグループ各社の自動車整備工場から排出される使用済みエンジンオイル、廃油をビニールハウス園芸で暖房燃料として活用し、ぐるりいちご農園でいちごを栽培している。廃油は濾過され、再生重油に変換して使用されており、省エネ法上「非化石燃料」に分類され、温対法上では燃焼時の二酸化炭素排出が実質ゼロとされている。
同いちご農園内の一般灯油使用を100%廃プラスチック由来の灯油質に置き換えることで、脱炭素化を目指し、さらに今秋から再生可能エネルギー由来の電力契約をスタートさせる予定だ。このように廃プラスチック熱分解油の導入によってカーボンフリー農業スキームの構築にまた一歩近づくことができる。本取り組みは今後も、群馬県が掲げる「ぐんま5つのゼロ宣言」の一つである「プラスチックごみゼロ」に貢献するため、さらなる研究を重ねていく。