秩父の“観光の顔”「パリー食堂」が、耐震工事費4,000万円調達を目指し、クラウドファンディングに挑戦
1927年創業の老舗飲食店「パリー食堂」(埼玉県秩父市)は、建物の老朽化に伴う修繕・耐震補強費4,000 万円を募るため、10月16日よりクラウドファンディングの募集をスタートした。

中心市街地に店を構える同店は、昭和レトロな外観やインテリアが人気で、年間約20万人が訪れる秩父を代表する観光名所となっている。2004年には当時の雰囲気を現代に伝える食堂として、国の登録有形文化財に指定された。
しかし、直近の耐震診断で「大地震で倒壊の恐れあり」と判定を受け、建物の耐震補強と修繕は約4,000万円と見込まれている。市からの補助は100万円までしか受けられず、自己資金のみでは存続が困難な状況だ。
“秩父の観光の顔”がなくなってしまえば、観光客が減少し、宿泊業やインフラなど地域経済の低迷につながりかねない。さらに、毎月第3金曜日には定期イベントとして「こども食堂パリー」を開催し、1年間で300人以上の子どもたちが来店。食の支援とともに地域のつながりを生む場所となっているが、こうした地域のつながりを生む場所も消えてしまう。
そこで今回、4代目店主である川邉晃希氏は「地域の記憶と未来を守るための挑戦」として、クラウドファンディングでの修繕資金の調達を決断した。
同店の窮状を知らせるために開設したTikTokは、7月の開設から2カ月半でフォロワー2.6万人、累計再生数は1,000万回を超えた。「行ったことある!大好きなお店」「残してほしい」など、同店を応援するコメントは1万件を超え、共感の輪が全国に広がっている。

