420年超の老舗酒蔵が俳優を執行役員に招聘へ !根本酒造が創造性強化へ向けた再建プロジェクトを始動

 根本酒造株式会社(茨城県常陸大宮市)は、俳優として活動する小駒ゆかさんを執行役員CCOに起用し、2025年12月16日より就任したことを発表した。1603年創業の同社は、長い歴史の継承と現代に合わせた価値発信を両立させるため、異業種で培われた知見を持つ人材を迎え入れ、組織体制の刷新を進める構えである。

420年超の老舗酒蔵が俳優を執行役員に招聘へ !根本酒造が創造性強化へ向けた再建プロジェクトを始動

小駒氏は茨城県出身で、慶應義塾大学文学部を卒業後、パラリーガルとして実務経験を積んだ経歴を持つ。その後俳優として舞台や映像作品に出演し、表現力を基盤とした活動を続けてきた。今回の起用は、老舗蔵の価値が十分に社会へ届いていないという課題を踏まえ、外部視点と創造性を兼ね備えた人材が必要と判断されたことによるものである。伝統を尊重しつつブランドの魅力を再整理し、発信力を高める役割を担う立場として、蔵の再建に参画していく。

再建プロジェクトの第1弾として、同社が新たに手がけたジャパニーズ・プレミアム・クラフトリキュール「華世(Kaséi)」を中心に情報発信を進める。「華世」は1本につき紀州南高梅を15個使用し、あらごし製法による濃厚な味わいと高いアルコール度数を合わせ持つ特徴を持つ。蔵の技術を生かした製品として開発されたものの、日本酒離れが進む昨今の状況のなかで認知は十分ではなく、まずはこのリキュールを切り口に新たな顧客層との接点を構築する計画である。

また、この就任に合わせ、日々の取り組みをSNSにて「再建ノンフィクション」として公開する企画も開始した。発信内容は成功事例に限らず、SNS運用の試行錯誤や商品の魅力を伝えるための検討過程など、制作の裏側を含めて記録するもので、役員としての活動過程を可視化する形式となる。プロセスを積み重ねていく様子を公開しながら、蔵の歴史と現在を結び付ける取り組みを広く伝えていく計画だ。

同社は、奥久慈の自然環境に育まれた清純な水と選び抜かれた米を用いた酒造りを続けてきた歴史を持ち、代表銘柄として「久慈の山」を製造している。今回の施策により、伝統の維持と新たな価値創出の両軸を強化し、次代に向けた酒蔵の姿を形づくる方針である。

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