群馬県・伊香保温泉でAIカメラを活用!駐車場の混雑状況をリアルタイムで可視化

 群馬県の伊香保温泉で、観光シーズンの交通渋滞対策として、AIカメラを活用した駐車場利用状況の可視化実証実験が行われた。

群馬県・伊香保温泉でAIカメラを活用!駐車場の混雑状況をリアルタイムで可視化

同取り組みはIntelligence Design株式会社(東京都渋谷区)が群馬県および渋川市と連携し実施したもの。伊香保温泉は首都圏からの交通の便に優れ、多くの観光客が年間を通じて訪れており、週末や連休などには周辺道路で渋滞が発生しやすい状況が続いていた。従来の駐車場管理では、現地職員による目視確認と看板を利用した案内が主な手段であり、リアルタイムでの情報提供や柔軟な対応には限界があった。来訪者が現地で駐車場を探す時間が長くなることや、地域内の回遊性が低下することも課題として指摘されていた。

実験では、伊香保温泉の石段街周辺にある複数の公共駐車場にAIカメラとエッジAI解析機器「IDEA counter box」を設置。これらの機器は駐車車両を検知し、車種(乗用車・バス・トラックなど)の分類や滞留時間の計測を行う。解析されたデータはクラウド上の「IDEA platform」に送信され、関係者がWebダッシュボードを通じてリアルタイムで確認できる体制を構築した。また、渋川市のホームページと連携し、1分間隔で更新される駐車場の静止画を閲覧できる一般利用者向けの情報提供も行われた。この仕組みにより、到着前に利用状況を確認することが可能となり、現地での駐車行動が改善された。

実験期間中には、ピーク時の駐車場の分散利用が促進され、従来必要とされていた目視による確認作業が不要になり、省人化が進んだ。さらに、車種別や時間帯別の利用データが継続的に記録され、今後の交通施策や運営上の参考資料として活用できる形式で蓄積。一般来訪者からは、空き状況が分かることによる利便性向上に関する好感触が確認された。

同システムは交通量調査の自動化を目的とするソリューションであり、エッジAIカメラを活用することで大規模な工事を行わずに導入が可能とされている。通行量や交通量の計測をはじめ、駐車場の稼働状況を多角的に把握する機能を備えるシステムである。

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