空き家がリノベーションによって“屋内農業施設”に再生!新サービスの事例第1号を群馬で始動

空き家を収益資産へと再生させる新たな取り組みが始動した。クールコネクト株式会社(群馬県伊勢崎市)は、自社が展開する空き家リノベーションサービス「ノーサエステート」の第1号事例を公表。群馬県桐生市に所在する空き家が屋内型きのこ栽培施設へとリノベーションされ、不動産としての新たな収益モデルに転換された。

空き家がリノベーションによって“屋内農業施設”に再生!新サービスの事例第1号を群馬で始動

空き家の所有者は、施設を同社が賃借することで、賃料収入を得る仕組みを活用していく。今後、この再生モデルを各地に展開していく方針が示されており、地方の空き家と農業資源を結び付けた実用的なスキームとして注目されている。

同取り組みの背景には、社会課題となっている空き家の増加と、農業分野における新たな生産方式への関心の高まりがある。日本各地で空き家の数は年々増加し、放置された住宅が地域環境や治安への影響を及ぼすケースも見られるようになっている。

一方、農業分野では気候や立地条件に左右されず、室内で安定した栽培が可能な「屋内型栽培」への関心が強まっている。とりわけ、キクラゲやなめこなどの菌類は、狭いスペースや比較的低い温度でも育成が可能であるため、新規参入がしやすく、設備投資の面でも現実的な作物とされている。

同社が展開するサービス・ノーサエステートは、こうした社会的背景を踏まえて設計された。空き家を所有する法人や個人を対象に、きのこ栽培施設へのリノベーションを行い、その施設を同社が希望に応じて賃借。これにより、所有者はリノベーション後の施設から安定した賃料収益を得ることができ、放置資産の有効活用が実現する。

今回の第1号案件のオーナーも、長年使用された住宅が空き家となった後、再活用の道を模索していたが、一般的な賃貸ではコストの面で課題があったところ、新たな用途と価値を見出すことができたという。

同サービスは、地域に存在する未活用の空き家に生産機能を付加することで、国産食材の生産強化や地域産業の育成にも資する取り組みだ。同社は今後も、この仕組みを通じて地方創生に寄与していく考えを示している。

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