日本初!沼田市のシードルがスペイン国際品評会SISGAで最高賞を受賞
フキワレ・シードルリー・上州沼田シードル醸造株式会社(群馬県沼田市)の定番シードル(リンゴを原材料とするスパークリングワイン)2種がスペイン・アストゥリアスで2024年9月に開催されたシードルの国際品評会「Salon International Sidra de Gala」(通称SISGA)において、日本のシードル醸造所で初めてPremium(部門最高賞)を受賞した。
同品評会は、フランスと並びシードルの本場であるスペインで2011年から毎年開催され、世界中のシードルメーカーが参加する権威あるイベントだ。今回、日本のシードルが本品評会史上初めて最高賞を受賞したことは、日本のシードルの品質が国際的に認められた証といえる。
国際的にはシードル専用品種による製造が標準的だが、同社では、新たな品種栽培に頼らず、地元沼田市の農家が栽培する高品質な生食用リンゴでシードルを製造している。社長の藤井達郎氏は「弊社が使用するリンゴは沼田市内の農家さんから廃棄予定のものを譲り受けています。廃棄予定とはいえ、贈答用最高品質にわずかに満たないというだけで、シードルづくりに必要なリンゴのスペックを十分以上に満たしています。農家さんは廃棄予定のリンゴを販売できる、我々は世界に通用するシードルを製造できる、沼田市は循環経済と地元産業の知名度アップを推進できる、と三方よしな関係を築いているのです。」と話しており、今回の受賞はその理念が評価された結果といえる。
スペイン・SISGA実行委員長のAnzu Fernandi氏は「フキワレ・シードルリーは、小規模ながらも大胆に挑戦し、20カ国のトップシードル生産者と競い合い、見事に勝利を収めました。フキワレ・シードルリーの成功は、若いシードル工房が大規模な生産や長い歴史を持たなくても、献身と品質へのこだわりによって世界最高峰の製品を生み出せることを示しています。この受賞が、日本のシードルがまだ十分に知られていない海外市場での認知度を高めるとともに、地元のリンゴの利用を促進する素晴らしい機会となることを祈っております。」と語った。