60年間不動のナス市場に変化をもたらした「とろ~り旨なす®」の本格出荷が開始
野菜の品種改良を行う、トキタ種苗株式会社(埼玉県さいたま市)が開発し、国内で急激に栽培面積が伸びている白なす「とろ〜り旨なす」の本格出荷が始まる。
これまで約60年にわたり、国内で流通するナスは「千両二号」(長卵型)、「筑陽」(長ナス)の2品種が市場のシェアのほとんどを占めていた。地域ごとに伝統品種のナスはあるものの、スーパーで一般的に見かけるナスのほとんどが、この2品種だった。
そんな不動のナス市場に変化を起こしたのは「プレミアムなす」と呼ばれる品種だ。同社が開発した「とろ〜り旨なす」もそのひとつで、白くて大きく、ふっくらした見た目。紫色のナスと比べると食味がまったく異なる。加熱すると、とろっとした食感で白子のような舌触りがするという。
さらに、外皮が白い「白なす」であること、さらに「とろ~り食感」「ナス独特のクセが少ない」といった特徴から「従来のナスより高価格で売りやすい」「ナスが苦手な方でも食べられる」と、ナス生産者の人気を集めている。大手外食産業もその味わいに注目しており、昨年は大手外食チェーンの一部地域で採用された。栽培面積も、ここ5年で3倍以上に増えている。
今シーズンは昨年より多くの同品種が全国で栽培されており、7月からは群馬産の出荷が最盛期を迎える。今年はスーパーや外食で見かける機会が増えてくるだろう。